プナーユきぶん

スリランカのアーユルヴェーダと鍼灸をお届けしている者です。スリランカ修行を終えて日本で鍼灸師になりました。阿佐ヶ谷 高円寺 豪徳寺 都内出張などしてます

学会参加してきました

日本顔面神経学会2023参加してまいりました。去年は東京の蒲田で開催だったので、よく知らず研修の同期と参加したのですが。今年は大阪の千里中央で開催、悩みましたが、今年度東大の研修で末梢性顔面神経麻痺の患者さんを受け持つようになったので、興味関心を深めたり視野をひろげられたらと思って一人で参加してきました。


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これまでの、日本顔面神経学会が発行していた顔面神経麻痺診療の手引2011年版が、Bell麻痺・Hunt症候群・外傷性顔面神経麻痺の3つを対象にして、顔面神経麻痺診療ガイドラインとして大改訂したんです。

リハビリテーション治療・形成外科的治療・鍼灸治療・その他の治療内容について詳しく書いてあって、診療における現状のスタンダードを示してくれている医療者向けの冊子です。

そこに、なんと鍼灸治療もしっかり取り上げられて、弱く推奨する(これまで推奨はされてなかった!!)となっています。東大や埼玉医大ほか病院などで顔面神経麻痺の鍼灸治療に携わっている先生方のおかげですね。

 

 

今回もやはり印象的だったのは、顔面の運動が回復してきても、患者さんの心理面はよくなっていないことがあるということ。例えば口元が、笑った時麻痺側が動きにくく非対称になってしまったり。眉毛の高さが非対称だだったり。それで悩んで外に出たくなくなってしまう。治療者側の判断だけでは完全に治った!よかった!とはならないことはよくあることです。

 

形成手術も適応になる方がいたり、それでお顔の悩みが解消されれば◎ですし、適応になれないが悩んでいる方もいらっしゃいます。その場合はお化粧、メイクでもお悩みを軽くすることができるということで、症例写真をみるとビフォーアフターが感動ものでした。心理面の配慮は鍼灸師自由診療だからこそしていくべきで、お悩みに解決案をいくつか提示できるようになれたらと思います。

リハビリメイク、といって医療向けのメイクがあります。抗がん剤で眉毛がぬけてしまったり、術後で傷など跡がのこったり、、メイクっておしゃれのためだけじゃなくて患者さんの心理面にも大いに役立つツールなんですね。とても興味深いですよね。

 

後遺症予防や軽減のため、顔面神経麻痺患者さんにお顔の鍼灸をしていますが、首肩こりが軽減したりリラクゼーション効果で気持ちも軽くなったり。顔面のリハは終わったけど、鍼灸が身近になり味方につけられている方もたくさんいます。

 

参加されていた医療従事者のみなさんと共に、ひとりひとりの患者さんに、適切な治療を提供していこうと気持ちが引き締まりました。


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